NBAの65試合ルールが大論争!ドンチッチが「特別事情」で異議申し立てへ、エドワーズやカニンガムも受賞資格失う事態に

ルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)
画像引用元: Wikimedia Commons(Photo by Erik Drost, CC BY 2.0)

65試合ルールとは?

NBAでは2023-24シーズンから、シーズン終了後の各賞(MVP、最優秀守備選手賞、オールNBAチームなど)の受賞資格として、レギュラーシーズン82試合中最低65試合に出場することが義務付けられている。この「65試合ルール」は、スター選手のロードマネジメント(戦略的休養)を抑制する目的で導入されたが、2025-26シーズンでは怪我ややむを得ない事情で出場試合数が足りなくなる選手が続出し、大きな議論を呼んでいる。

ドンチッチが「特別事情」で異議申し立てへ

レイカーズのルカ・ドンチッチは今季64試合に出場したが、4月初旬に左ハムストリングのグレード2の肉離れを負い、レギュラーシーズン残り全試合の欠場が決定した。あと1試合出場すれば65試合に達していたが、その機会は失われた。

しかし、ドンチッチ側は諦めていない。代理人のビル・ダフィー氏は、NBA・NBPA間の労使協約(CBA)に基づく「特別事情チャレンジ(Extraordinary Circumstances Challenge)」を申請する意向を表明した。ドンチッチは12月に第二子の誕生のためスロベニアに帰国し、トロント戦(12月4日)とボストン戦(12月5日)の2試合を欠場している。この2試合がなければ66試合に出場できていた計算となり、「子供の誕生」というやむを得ない事情を根拠に受賞資格の回復を求める方針だ。

申請の期限はレギュラーシーズン最終日の翌日、4月13日の午後11時59分(米国東部時間)まで。独立した専門家がこのケースを審査し、資格剥奪が不当かどうかを判断する。承認されれば、今季平均得点でリーグ上位に入るドンチッチのMVPおよびオールNBA選出への道が再び開かれることになる。

エドワーズやカニンガムも巻き込む大波紋

65試合ルールの影響を受けているのはドンチッチだけではない。ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズは右膝の痛み(膝蓋大腿疼痛症候群)により今季17試合を欠場。さらに10月26日の試合でわずか3分しかプレーしなかったことがNBAの基準では「欠場」扱いとなり、事実上の受賞資格喪失が確定した。今季平均28.9得点、5.0リバウンド、3.7アシストという素晴らしい数字を残しているにもかかわらず、MVPやオールNBAの候補から外れることになった。

また、ピストンズのケイド・カニンガムは3月17日に肺気胸(肺虚脱)を発症し、長期離脱を余儀なくされている。チームを東カンファレンス首位に導くほどの活躍を見せていたカニンガムだが、65試合に届かない見込みだ。全米バスケットボール選手会(NBPA)は「キャリアを代表するようなシーズンを送った選手が受賞資格を失うのは、65試合ルールの明らかな欠陥だ」と声明を発表し、ルール改正を強く求めている。

今後の展望:ルール改正の可能性

今季は合計12人以上のスター選手が65試合ルールにより受賞資格を失う見込みで、導入3シーズン目にして最も多くの有力候補が影響を受ける事態となっている。特にドンチッチのケースでは、テクニカルファウル累積16回による1試合の出場停止処分がなければ65試合に到達できていたという事実もあり、ルールの公平性に疑問の声が上がっている。

NBAとNBPAは今後、このルールの見直しについて本格的な協議に入る可能性がある。選手の健康を守りながら、ファンに最高のパフォーマンスを提供するという、リーグが目指すバランスが改めて問われている。プレーオフ開幕を4月18日に控え、コート上の熱い戦いとともに、コート外でのこの重要な議論の行方からも目が離せない。